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まだ何か引っ掛かっていないかと喉元を探るもどうやら上手く吐き出せたようだ。いい機会だろう。いい加減、優しいだけの幻想からは目を覚ましてもいい時期だ。 ぐにぐにと頬を引っ張り続けると、目に涙を溜めてユノが悲鳴を上げる。 「やめっ、いい加減にして()()()()()」 「うん」 きっと大丈夫。ユノが居てくれるなら、どんな困難も乗り越えていける。 「もうこの手は離さない。逃がさないからね」 「いや、だから離しっ、いはい」 ユノを引き寄せて力の限り強く抱きしめ、彼女にかけていた従二一重(じゅうにひとえ)を解いた。 「お帰り。ユノ」
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