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4-4
午後を告げる鐘の音が石造りの聖堂に響き渡り、僅かな余韻を残して微かに振るえている。不規則な符丁でどこか適当なのは、鳴らしているのがマフィンだからだろう。
礼拝堂の中央、祭壇の前に跪き、ソリティアは閉じていた瞳を開け色ガラスを見上げた。
柔らかな太陽の光が虹色に反射して舞う様は、まるでこれからの旅路を祝福しているようだ。
この村を出る。
みんなでそう決めた。
昔を忘れる訳ではないが、思い出は思い出として、いい加減静かな眠りに就かせてあげようと納得出来たのだ。
光に手をかざし、これまでの日々を頭に描く。言葉にするのはなんだか気恥ずかしいけれど、たまにはいいだろう。
食事の前の決まり文句がこれほど実感出来たことはない。皆に感謝。世界に感謝。日々のありとあらゆるものに。
「本当に、これまであり──」
「またこんなとこでサボってる!」
礼拝堂の扉が勢いよく開かれ、ユノがつかつかと歩いてきた。
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