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「ね゛ぇぇ空気読んでー」 人が珍しく感傷に浸っているとこれだ。雰囲気もなにもあったものではない。 「(ほこり)っぽいわよ。全然進んでないじゃない」 「どの道旅に出るんだからいいじゃない」 投げやりに放り出したのは武器ではなく(ほうき)だ。旅立ちの前には身の辺りの整理を。ということで、教会全体の大掃除の真っ最中だった。 ユノが呆れたように、というか実際に呆れているのだろうが、これ見よがしに大きなため息をついて箒を突きだす。 「立つ鳥跡を濁さずっていうでしょ」 「私、鳥じゃないし」 「鳥以下よ」 虫かな?
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