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旅立ちの正確な日にちはまだ決まっていないが、トマスに必要な荷物の仕入れを頼んでいるので出発はまだ少し先になる。
このままユノを怒らせても面倒なので、重い腰を上げて彼女についていった。
今この瞬間も、いつか思い出として懐かしむことがあるのだろうか。ふと、後ろ髪を引かれて振り返る。
一瞬、ユノーが優しく微笑んでいた気がした。
願わくば、みんながそばに居て、笑って語れる明日であるように。
「ほら、行くわよ」
「はいはい」
柄にもなく寝ているであろう神様の邪魔をして、祈りを捧げるのだった。
【完】
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