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礼拝堂の扉が開かれ、一人の少女が入ってきた。
背が低く華奢な体つきで、腰まで伸ばした髪は金よりも淡く銀に近い。ソリティアとは逆の意味で中身が外見を裏切り、そのあどけなさを残す幼い容姿からは大人びた気品のある雰囲気が滲み出ている。
彼女の名はユノ。正確にはユノーと伸ばすのだが、間延びした響きを本人が嫌がり、きっちりとした性格と合わせて周りからはユノと呼ばれることが多かった。
ソリティアの先輩である。
「なにやら話し声が聞こえた気がするのですが」
おずおずと伺う彼女にトマスは顔を上げる。
「丁度祈っていたところだよ。さすが敬虔なる神の信徒ともなればそのお声を聞くことも出来るのかな」
「もう。からかわないでください」
微笑む二人の会話にソリティアはハラハラとしながら聞き耳を立てていた。
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