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もやもやする。
前園という男のことを考えると、豪太は、どうしようもなく腹が立ってくる。
それとなく探りを入れると(単純なこの男からは、何かを聞き出すのは、すごく簡単なことだった)、最後に遼が前園と寝たのは、豪太に会ってからのことだった。
自分と言うものがありながら……、
いや、その時はまだ、自分たちの間には何もなかったわけで。
でも、自分は最初から、あの人が知るより、もっとずっと前から、
好きだった。
ちゃんと、好きだった。
それなのに、あの淫乱な、美しい男は!
病院のベッドの中で、豪太は、ぎりぎりと歯ぎしりをした。
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