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「で、どうなの?
どうなったわけ?
本当はすぐにも聞きたかったんだけど
久しぶりのお二人のお邪魔しちゃぁ
悪いと思ったから
今日まで待ってたんだからね。」
「そうそう、
俺だって気になってしょうがなかったんだから。
会社であんな熱ーい抱擁されちゃあなぁ…
で、どうなの?」
隆二は出張やその後の本社でのことで
夜も忙しく帰るのは遅くなる。
一人でご飯を食べるのなら
報告も兼ねた晩御飯を一緒にしようということで
涼子と中野君とで
何時もの居酒屋に来ている。
金曜日のエントランスでのことは
あっという間に社内に知れ渡ってしまっていた。
すごく恥ずかしかったけど
それでもあの時隆二に抱きしめられたことは
嬉しかったし
良かったと思っている。
涼子からは金曜日にすぐメールが来ていた。
──今までの不安や思っていることを全部言って
しっかり話し合って
たっぷり甘えておいで。
報告は月曜日に。
その言葉に甘えて
それに、土日は両家に挨拶に行ったりと
忙しさもあって
涼子への報告は後回しにしていた。
「あ、ん、ごめんね。
お騒がせしちゃって…」
部署内では隆二とのことを
好意的に見てくれてる人が多く
普段と変わらずに過ごせたけど
他ではやはり好奇な目て見られ
特に、他部署の隆二のファンの人から
時折睨まれているようで
視線が痛かった。
綺麗でも可愛くもない
只々平凡な私が相手なのが納得いかないのだろう。
それは、私本人も不思議に思っていることだから
しかないと思うけど。
でも、隆二のことが好きだから
隆二の傍を離れるなんて
今の私にはこれっぽっちも、ない。
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