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「で、どうだったの。
気になったし、心配だったんだから。
さあ、教えなさい。
まあ、落ち込んでないのは分かるけど。」
「心配かけてごめんね。
これでも落ち込んだことは
落ち込んだんだよ。
『同期からお祝いの言葉』
何て言われて…」
「誰よ!そんなこと言ったヤツは。」
「うん、まあ。
それで、
二人を前にして言うのは
正直、まだ辛かったんだ。
勝手に震えてきちゃってさ。
それでも何とか言ってさ。
終わったらバカみたいに
ビール飲んじゃって…
吹っ切れたと思っていたけど
まだ完全じゃなかったんだよね。
笑っちゃうでしょ。
でもね、二人の前で
言葉にできたことは
良かったと思ってる。
きっかけになったって言うか
前に向くのに…
まあ、いろいろとね…
あるけど…うん。
もう本当に大丈夫だから。
いろいろありがとう。」
「本当?
本当に大丈夫なのね。」
「うん、本当に大丈夫。」
「そっか、
美紗ちゃん、頑張ったね。」
中野君はそう言って
髪の毛をぐちゃぐちゃに撫でる。
「中野君やめてよ。
ぐちゃぐちゃになっちゃったじゃない。
ひどいよ。」
「ごめん、ごめん。
美紗ちゃんがあまりにも可愛いから。
つい。
俺の愛情表現。」
「もう!」
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