772人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、今週末花火大会じゃない。
美紗はどうするの?」
何時ものように三人でお昼をしていると
週末の予定を涼子が聞いてきた。
「んー、今年は行かない。
用事もあるし。」
去年は純と一緒に行った花火大会。
今年は……係長が言ってた日曜日って
確か花火大会の日だったよね。
「そぅ、あれだったら
一緒に行こうかと思ったんだけど。」
「やだー、
涼子と行ったら私お邪魔じゃない。
それに、瀬川さんに悪いよ。」
「敦志だったら大丈夫。
美紗のことも知ってるんだし。
気になるんだったら
敦志に言って
誰か友達連れてきてもらおうか?
もちろん、彼女持ちじゃない人。」
「い、いいよ、
本当に用事があるんだし。
それに、まだそんな人いらないし…
でも、ありがとう。」
「うん。」
「な~んだ。
俺、美紗ちゃん誘おうと思ってたのに。
残念。」
「アンタが美紗を誘わなくていいの。
軽いノリでなんて許さないんだから。」
「イテッ、叩くなよこの暴力女!」
「なにー!」
「まあまあ。
でもほんと、私なんか誘わないで
可愛い子誘いなよ。
中野君なら沢山いるんじゃない。」
「そんな子いないし。
本気で美紗ちゃん誘いたかったのに。」
「ハイハイ、分かったから。
もうこの話はおしまい。」
「ほんと、マジなんだけど。」
そう呟いたのは誰にも届かなかった。
最初のコメントを投稿しよう!