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「……いいんですか?  彼女さんとか…  他に作りに来てくれる方とか  いらっしゃるんじゃないですか?」 「いないから。  だから今日、  鍋とか買いに行っただろう。  それに、早川だから頼んでるんだけど。」 「でも、前に車の助手席に乗るときに  彼女さん大丈夫ですかって聞いたら  係長、『大丈夫』って  言ったじゃないですか。  あれって、そんなこと  気にするような人じゃないって  ことじゃなかったんですか?」 「彼女なんかいないから  『大丈夫』って  言ったんだけど。  安心したか?  なぁ、作りに来てくれないか?」 ……彼女がいないならいいかなぁ。   係長と一緒のごはん楽しいし 「……いいですよ。」 「いいのか?」 「はい。  あまり上手ではないけれど  元気をくれる係長のために  作りに来ます。」 「ありがとう。  早川の作る料理は旨いぞ。  俺は好きだ。  土・日なんかは今日みたいに  手伝うよ。」 「はい、お願いします。」 「了解。」 何のためらいもなく作りたいと思った。 また一緒に作りたいと思った。 そして、美味しそうに食べる あの笑顔をまた見たいとも思った。 「じゃあ、はい。」  
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