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「えっ……?」
身を屈めていた七星が驚いたように振り返った。
「だ…誰だぁ!?」
「茶々丸!今宵、鬼のような貴様から七星さんを救い出す!」
茶々丸を指差す勇瑪に、
「茶々さまは鬼なんかではありません!」
と七星は怒ったように茶々丸の前に立ち、勇瑪に向かって両手を広げた。
「可哀想に……七星さんは騙されているんです」
「騙されてなんかいません!勝手に入ってきて、意味のわからないことを言わないで下さい!」
「ああ……茶々丸なんかに弱味を握られ仕方なく夫婦になってるんでしょう?わかっていますよ」
七星は目を丸くすると吹き出した。
「この世に、茶々さま以上の殿方なんていません」
「そう思い込むしかなかったんですね……」
もっともらしく同情の涙を流す勇瑪に、二人は困った顔で見つめ合う。
「私には本当に茶々さましかいません。茶々さまのいない世界なんて、私には考えられない」
「貴女は世の中を知らなさ過ぎるだけです。世の中には色んな世界があり、私との薔薇色の……」
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