6人が本棚に入れています
本棚に追加
勇瑪は目を剥き出しにして怒りを表す。
「ナナは世界でいっとう、オラといることを望んでいるだ。オラと共にこの先も歩んでいくことを……まあ、ナナが心変わりでもすれば話は別だがな」
「ひどいです、茶々さまぁ。そんな意地悪を言って」
拗ねたように唇を尖らせ、七星が茶々丸を後ろから抱き締める。
「私が茶々さま以外の誰かに、心動かされるはずがないのをわかって、そんなことを言うんですか?」
七星は勇瑪を見上げた。
「私は自分の意思でここにいますし、自分の意思で嫁さにしてもらいました。後悔もしていません。今とても……物心ついた頃から今までで一番幸せなんです」
「こんな地位も金もない男の嫁となり、ちっぽけで豚も住めなさそうなあばら家に住んで幸せ?」
勇瑪は辺りを見回しせせら笑う。
「ここには茶々さまがいらっしゃいます。私は茶々さまさえいれば十分です。過分に望みません……今の最高の幸せだけが続けばいい」
最初のコメントを投稿しよう!