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ヨロヨロとふらついた体を支え、
「さっぱりわからない。私には、こいつの良さなんて、これっぽっちも……」
指で小さく輪を作り、勇瑪は首を左右に振る。
「貴方に理解していただかなくて結構です。私の人生で茶々さまさえいてくれれば……ねっ、茶々さま♪」
幸せそうな声でそう言うと、茶々丸に頬擦りをした。
恥ずかしくて照れる茶々丸は『やめれ、人前で』と慌てる。
その時、行灯の灯りや他の何もかもの光が消えた。
そして……
「ぐあっ……何を…」
勇瑪の声が茶々丸の家に響いた。
「キャー!茶々さま…」
恐怖でしがみつく七星の手を握ると更に腕の中に引き寄せ、茶々丸は覆い被さるように震える七星を守る。
暫くの沈黙の後……
灯りがいつの間にか点いていた。
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