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「都へ用のある方がいらっしゃる度に、絵の売れ行きを調べさせていると聞きましたよ」
「そんなもの、ついでの“つ・い・で”。近くまで行くのなら、使える者は使わにゃ損じゃからな」
無理に威厳を出そうとしているのか、長者様は胸を反らせる。
「まあ♪茶々さまだって、『子どもの頃から絶対すごい絵師になられると信じてた』と言ってましたよ?茶々さまの言うことに間違いはありませんもの」
七星は頬を少し赤らめ、『うふふっ♪』と弾んだ声を出す。
「茶々丸思いの七星さんには敵わんのう♪負けた負けた。わははは…」
間近で見る笑顔の七星は、化粧もしていないはずなのに遠目で見た以上に美しい。
「お初にお目にかかります。茶々丸の嫁の七星でございます」
長く美しい髪をさらりと前へ垂らしながら頭を下げる様に、勇瑪は何も言えないまま頭を下げる。
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