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――4年前。
亘は入社2年目の秋に船橋支店から名古屋支店に異動になった。
就職が決まった時に、全国に支店のある会社だから地方に転勤もありうるとは聞いていたけど、まさかそんなに早く離れ離れになるなんて思ってもみなかった。
10月1日付けで名古屋に配属になるのに、辞令が出たのは2週間前。
引き継ぎだの引越しの準備だのでバタバタの亘と会えたのは、9月29日の夜だった。
「美弥。絶対に浮気するなよ?」
亘の大きな手が私の胸を揉みしだく。
「亘も。……あん!」
先端を摘ままれて思わず大きく仰け反った。
いつもだったら、感度がいいと褒めてくれる亘も今日は余裕がないみたいだ。
「仕事や土地に慣れるまではなかなか会いに来られないかもしれない。でも、2か月に1回は東京に戻ってくるようにするから。」
「2か月……」
それはとてつもなく遠い先のことのように思えた。
「そんな顔するなよ。俺だっておまえを置いて行きたくない。心配で心配でおかしくなりそうだ。」
亘は左の先端を指で弄りながら、右をパクッと咥えた。
クリクリに丸くなった先端が、亘の熱い舌で転がされ、チュパチュパという卑猥な音を立ててしゃぶられる。
「心配……しないで。私は……亘じゃなくちゃ……ダメなんだから。」
亘の頭を抱きかかえるようにして喘ぎながら、なんとか言葉を押し出した。
「おまえは俺のものだ。そうだよな? ここも、こっちも。」
亘の指がヌプリと蜜口に差し込まれ、ナカを掻き回す。
「あ、あ、あ、ああ!」
快感に息が上がる。
そんな私の様子を見て、亘が覆いかぶさるように抱きしめてきた。
「心も身体も全部俺のだ。」
その切ない声に胸がキュッと痛くなる。
「来て。亘が欲しい。」
早く1つになりたくてせがんだ。
「そんなにコレがいいか? 俺のじゃないとダメだろ?」
硬い肉棒がアソコに押し当てられて、蜜がドロッと溢れ出す。
他の男のなんて知らないし、試してみたいとも思わない。
ちょっと引かれたソレを追いかけるように腰を浮かせると、グッと押さえ込まれて一気に貫かれた。
「ああっ!!」
快感が突き抜ける。
隙間なく繋がって信じさせて欲しかった。
亘は決して浮気なんかしないと。
ずっと私だけを愛し続けてくれるんだと。
***
あの時は確かに1つだった亘の心が、離れて行ってしまいそうで怖くなった。
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