12月24日

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「ママ今日、同窓会なんでしょ?」 タリアは学校の仕度をしながら言った。 「ええ。大学のサークルのね。」 ママは言う。 「私のことは忘れて、楽しんできてね。」 タリアは微笑み、言う。 「ありがとう、タリア。夕食には間に合うから。」 ママは言った。タリアはうなづく。 「うん。じゃあ、行ってきます!」 タリアは元気よく家を飛び出した。 「気を付けてね。」 手を振り、ママは見送った。  ママは大学時代、演劇サークルに入っていた。懐かしい面々と共にシャンペンを飲み、料理をつまみつつ思い出話にふけった。  しかし頭の中からは、あの時見たタリアの表情が消えない。  (・・・・・。) ママは時折、深刻な表情を見せる。 「どうかしたの?」 それに気付いた仲間の一人が、声をかけた。 「う、ううん。何でもない・・・。」 ママはそう繕う。しかし、その表情が晴れることはない。 (・・・、そうだ!) 急に何かをひらめいたように、ママは顔を上げた。 「ちょっとみんな、聞いてほしいの。」 ママはみんなに呼び掛けた。視線が一気にママに集まる。ママの表情には明るさが戻っていた。
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