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その夜・・・・・
タリアの家では、七面鳥をオーブンで焼く香ばしい香りとクリスマスソングで満たされていた。テーブルにはすでにおいしそうな料理が並べてあり、シャンメリーやケーキもある。ただその食卓には、二人分の皿しか置いていなかった。
「メリィ、メリィクリスマス!」
クリスマスの歌を口ずさみながら、タリアはイスにつく。ナプキンをつけ、準備万端といったところだ。
「おまちどおさま。」
ママが七面鳥の丸焼きを持ってくる。とてもおいしそうなにおいだ。
「わぁーい!」
タリアははしゃぐ。
「熱いから気を付けてね。どうぞ、召し上がれ。」
ママはにっこりと微笑んだ。
「はーい!」
タリアはナイフとフォークを持ち、ママが切り分けてくれた七面鳥の肉を頬張った。
「おいしい!」
タリアが言う。
「良かった。」
ママも笑顔になった。
夕食後、タリアはソファーに座りテレビアニメを見ている。
(・・・・・。)
ママはしきりに時計を気にしていた。
時刻はもう、8時になろうとしている。
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