12月24日

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ピンポーン  急にドアフォンが鳴り、ママが出る。タリアはアニメに夢中になっていた。 「メリークリスマース!」 タリアはびっくりして振り向いた。聞き覚えのある声だ。そして、玄関の方から歩いてきたのは、真っ赤な服に白いモジャモジャひげのサンタクロースだった。 「パパ?パパ!!」 タリアは駆け出し、サンタクロースに飛び付いた。 「ああタリア。元気だったかい?」 サンタクロースは優しく言う。 「うん!いい子にしてたよ!」 タリアは眼を輝かせ、言った。 「そうかそうか!そんないい子にはプレゼントをあげよう。」 サンタクロースは袋に手を入れると、白いリボンでくるまれた小さな赤い箱を取り出し、タリアに渡した。 「わぁ~なになに?」 タリアはとてもうれしそうに言う。 「それは開けてのお楽しみだよ。」 サンタクロースは微笑み、言う。 「ありがとう!」 タリアは泣き出しそうに笑った。その様子を見、ママも泣きそうになっていた。 実はこのサンタクロースは、ママのサークル仲間である。パパに似た声質の男性をママが選びぬき、メイクでパパそっくりにさせた。すべて、ママの計画である。
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