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「ではこれでね。」
サンタクロースは家を出ていく。
「私、見送る!」
タリアは玄関までサンタを見送った。ママはキッチンで涙をこらえている。
「良かったわねタリア。」
戻ってきたタリアにママは言った。
「うん。でもね、来年からプレゼントいらないってサンタさんに言ってきたよ。」
タリアが言う。
「・・・どうして?」
ママが聞いた。
「だってもう私、大人になるんだもの。プレゼントをもらうのは子どもだけでしょ?だからもうプレゼントはいらないの。」
タリアは言った。
「タリア・・・。」
ママはこらえなくなって、とうとう涙を流してしまった。実はタリアはすべて知っていたのである。やってきたサンタクロースはパパによく似た人で、それがママの自分のための計画だということも。タリアは賢い子だった。だから来年からはプレゼントはいらないと言って、強くなることを誓ったのである。わずか8歳の子どもが、だ。
「ママ・・・ありがとう。」
ママはタリアを抱き締めた。タリアは微笑む。
12月24日の夜・・・
雪はゆらゆらと気まぐれに揺れて
聖なる夜の訪れをニューヨークの街に告げていた。
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