12月23日

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イギリス・・・・・ ロンドンは、二日前から降り続いている雪で真っ白になっていた。道路も街も空さえも、すべてが白一色だった。  そんな街の一角。一軒の家の、二階の一部屋にヘンリーはいた。自分のベッドで、静かに眠っている。ヘンリーは10歳。学校にも行っている。しかし、生まれつきの心臓病のせいで、他の友達のように元気に走り回ることはできなかった。  ヘンリーは目を覚ました。見飽きた天井と見慣れた部屋。それを、哀しげな目でヘンリーは眺めていた。 それも一週間ほど前。ヘンリーの心臓病は少しひどくなった。それが原因で、学校のクリスマストラベルにも、クラスの中でただ一人行けなくなってしまったのだ。  ヘンリーは枕元に置いてある、パパからもらったお気に入りのテディベア、“マイケル”に語りかける。  「ねぇマイケル。みんな、何してると思う?マリアとか、カールとか、飛行機の中でふざけていやしないかしら。でも大丈夫よね?ダーベル先生、怒ると恐いもの。」 ヘンリーは笑顔になった
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