12月23日

3/8
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「学校は今日、数学があるわね。ダーベル先生の授業は分かりにくい、ってみんな言うけど、私は大好きよ?だって、面白いんだもの。それ以外に理由が必要だと思う?」 マイケルは答えない。 「話を聞いてくれてありがとう、マイケル・・・。」 ヘンリーはそれで十分だった。ヘンリーの病の治療はとても困難で、お金もかかる。ヘンリーの両親はそのために、まだヘンリーが眠っている頃に出掛け、ヘンリーが眠った後に帰ってくるのだった。それ故にヘンリーには話し相手がいない。いつも孤独ではならないと、ヘンリーのパパはテディベアのマイケルをあげた。さびしい、と思ったことが無いわけではなかったが、ヘンリーはそれを両親には言わなかった。そのことを聞いたら、きっと両親が悲しむから。  ヘンリーはとても優しい子だったのだ。 「・・・・・。」 ヘンリーは窓から外を見た。白の世界だった。 その日の正午。ヘンリーの病気はさらに悪くなった。激しい痛みがヘンリーを襲う。ヘンリーの家には、両親と、かかりつけのお医者さんが来ていた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!