12月23日

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「ハァ・・・ハァ・・・。」 不規則に来る痛みと、息ができなくなるのをこらえながら、ヘンリーは一人戦っていた。 「薬を。」 ベッドのとなりには医者が座っていて、薬の入った注射器を持っていた。そのうしろでは、両親が心配そうにヘンリーを見ている。 「ハァ・・・ハァ・・・。」 チクッとした痛みと共に、右手に薬が射たれた。すると、たちまち痛みはひいていき、同時に力が抜けていく。そのままヘンリーは眠りについた。スゥスゥと寝息をたてて。 一面の白い世界に、ヘンリーはポツンと立っていた。周りには何もない。ただただ真っ白な世界に、場違いのように青いパジャマを着て、ヘンリーは立っていた。 (ここは・・・?)  ヘンリーは辺りを見回した。 (きっとお外ね。でも不思議、寒くないわ。) ヘンリーは一人きりだった。 (それに、どうして私はここにいるのかしら。) ヘンリーにはわからないことだらけだった。  すると、フッ、フッと白い空間からクラスメートのみんなが一人ずつ現れた。みんな、学校で見たときとおんなじ格好だ。
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