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「あっ、マリア、カール!ハリーに、ジュディに、ダーベル先生も!」
白い空間はたちまち、30人くらいの人間で埋まってしまった。みんな、ヘンリーを見て微笑んでいる。
「クリスマストラベルはどうしたの?なんでみんな、ここにいるの?」
ヘンリーは、一番近くのハリーに聞いた。
「お見舞いに来たんだよ。」
微笑んで、ハリーは言う。
「でも、ヘンリーが大好きなバナナチップスやマーブルチョコレートは忘れてきちゃったの。ごめんね。」
仲良しのアンナが言う。
「ううん。来てくれただけでもうれしい。みんな、ありがとう。」
ヘンリーは満面の笑みで言った。
「ヘンリー。」
ダーベル先生が、不意にヘンリーを呼んだ。優しい目と、小じわの寄った口元が語りかける。
「これからはずっと、君のそばにいられるよ。私たち全員、いつも君のそばにいる。」
ヘンリーは驚く。
「本当?先生。」
ヘンリーの眼は、キラキラと輝いていた。
「ああ、本当だとも。」
ダーベル先生はうなづいた。他の子どもたちもうなづく。
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