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「ずっとずっと、一緒だよ。」
クラスリーダーのセレナが言う。
「そばにいるよ。」
やんちゃ坊主のキリアも言う。
「ありがとう、みんな。でも、どうして?」
ヘンリーはふと聞いた。しかし、みんなは微笑んだままじっとヘンリーを見て答えない。
「みんな・・・?」
ヘンリーはつぶやいた。
「ずっと一緒だよ。」
アンナが言った直後、白い世界は灰色になった。自分以外のすべて、アンナもハリーもマリアもダーベル先生も。
そしてヘンリーは、目を覚ました。
「ああ、ヘンリー!ヘンリー!」
ママがヘンリーに抱きつく。ヘンリーは困った顔をした。
「ママ・・・。」
ヘンリーは周りを見る。そこに、さっきのみんなの姿は無かった。久しぶりの部屋には、自分と、ママ、パパの姿しか見当たらない。
「大丈夫か?ヘンリー。」
パパが声をかける。ヘンリーはうなづいた。
「あのね、パパ、ママ!さっき、クラスのみんながお見舞いに来てくれたんだよ。」
ヘンリーは輝く眼で言った。しかし、パパとママの顔は明るくはならない。
「そんなバカな・・・。」
パパはつぶやく。
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