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「俺の右腕を返せ!」
「それはアタシの台詞よ!アタシの右腕を返して!」
「お前が取ったんだろ!」
「朝起きたら、アタシの右腕がアンタの右腕で、アンタの右腕がアタシの右腕になってたのよ!」
「そんな説明いいから!早く俺の右腕を返せ!」
「返せるもんなら返したいわよ!でもアタシが魔術で付け替えた訳でもないんだから、はいどーぞ!なんて具合にいかないでしょ!これをどうにかするには、手術が必要なレベルよ!」
「これから大事な会議があんのに手術なんかしてられるかよ!」
「アタシだって今日は友達とランチしてミュージカル観る予定があるんだから無理よ!」
「旦那が一生懸命働いてる時間にランチからのミュージカルだと!」
「主婦だって毎日毎日大変なのよ!」
「子供がいるならまだしも!毎日毎日ゴロゴロしてるだけだろ!」
「なんですって!」
「痛ぇ!自分の右腕使って殴るなよな!」
「アンタだって、自分の右腕使って、アタシの首絞めてるじゃない!放しなさいよ!」
「んぐっ!また殴りやがったな!」
「放さないなら何度も何度も殴るわよ!」
「このやろう!」
「・・・は、放せ!」
数時間後、刑事が部屋に入ると、撲殺死体と絞殺死体が寝室に横たわっていた。
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