第2話

2/15
47人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
休暇届を早苗先輩に託して、自宅に戻って来たのは、お昼前だった。 昼休みになれば、栞から連絡があるかもと、 常にケータイをそばに置いていたけれど、メールも、着信もゼロ。 どうして何も言ってくれないの? 何でもいいから一言、違うって、誤解だよって、言ってくれれば、 私はそれを信じるのに。 やる気の出ないカラダに鞭打って、溜まった用事を片づけていると、 考えずに済む分ラクなことに気づく。 やらなくていいことにまで手を出して、 浴室の壁や床まで磨き始めるともう止まらない。 疲れ果てたカラダを引きずって、ベッドに倒れ込み、 ようやく眠りについたのは、深夜過ぎ。 そして、その夜、私は夢を見た。 長らく見ていなかった、まだ実家にいた頃の夢。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!