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休暇届を早苗先輩に託して、自宅に戻って来たのは、お昼前だった。
昼休みになれば、栞から連絡があるかもと、
常にケータイをそばに置いていたけれど、メールも、着信もゼロ。
どうして何も言ってくれないの?
何でもいいから一言、違うって、誤解だよって、言ってくれれば、
私はそれを信じるのに。
やる気の出ないカラダに鞭打って、溜まった用事を片づけていると、
考えずに済む分ラクなことに気づく。
やらなくていいことにまで手を出して、
浴室の壁や床まで磨き始めるともう止まらない。
疲れ果てたカラダを引きずって、ベッドに倒れ込み、
ようやく眠りについたのは、深夜過ぎ。
そして、その夜、私は夢を見た。
長らく見ていなかった、まだ実家にいた頃の夢。
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