第1話

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「「かんぱーい!」」 何本目かの缶チューハイで、テーブルにつき、乾杯。 「いただきま~す」 箸を伸ばす私の手を、ぴしゃりと栞がはたく。 「こら!今日の趣旨、わかってる?」 「わかってます!でも、また、お腹鳴っちゃうから…」 「はいはい、じゃあ私も、いただきます!」 渋々といった感じで、栞も箸をとって食べ始める。 でも、いざとなると、なかなか本題には入りづらくて。 思いのほかうまく出来たパスタを二人で褒め合ったり、 互いの部署の愚痴を聞いたりしているうちに、 いい感じに酔いが回ってきた。 「瑞月っ!あんたは贅沢なのよ!」 だんっと、栞の拳がテーブルをたたく。 「あの工藤主任のお嫁さんだよ!? いいじゃないの、結婚!寿退社、上等だっての!」 勢い余って立ち上がった栞は、そのまま冷蔵庫へ向かって歩いて行く。 どうやら次はビールらしい。
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