第1話

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「あの、ど、して、?」 「…経理の佐々木さんに話したでしょ?」 「え?それはだって、栞は友達だし」 「そう思ってたのは、瑞月ちゃんだけみたいだよ」 一体、何言ってるんだろう、この人は。 音は聞こえているのに、 言葉の意味をすんなりと理解できない。 ううん、理解したくなかっただけだった。 だって、栞がみんなに話したって、 そう言ってるの? わかってるよって言ってほほえんだ、 栞の顔が頭に浮かんだ。 あれがウソだったなんて、 どうしても信じられない。 「うそです!だって、そんなの、」 「佐々木さん、もともと営業志望だったのは、知ってるでしょ?」 「は、はい…」 「だけど、経理に配属されて、 営業に来たのは瑞月ちゃんだった」 「でも、それはっ!」 入社式で配属先の部署が発表された時、 栞は私に「お互い頑張ろう」って言ってくれた。 第一希望の営業部じゃなくても、 経理でも頑張りたいって言ってたのに。 「それだけじゃない、工藤のことも!」 「?」 「佐々木さんは工藤のこと好きだったんだよ?」 「え?」
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