たかこ③

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明け透けとは、いったい何の事だろう。 首を傾けると、記憶に触れるものがあった。 頭が回転しだすと、次々に繋がっていく。 私の書いたもので、人目に晒されたものは二つ。 『光源氏の物語』と『藤壺の中宮の御出産日記』 物語ならば、作り事なのは分かりきっているのに、さもその方々が居るかのように語られることはよくあった。光る君も、紫のゆかりの女人たちも。 悪し様に描いたのは、「末摘む花」常陸宮(ひたちのみや)の娘…だけではない。 人間を描いたのだ。 万人に受け入れられるはずがない。 その方面からの非難というのは、あり得るか? ないとは言わないが、きっと、ない。 『光源氏の物語』に『清少納言』を悪し様に書いた部分などないからだ。 では、『御出産日記』なのだ。
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