0人が本棚に入れています
本棚に追加
明け透けとは、いったい何の事だろう。
首を傾けると、記憶に触れるものがあった。
頭が回転しだすと、次々に繋がっていく。
私の書いたもので、人目に晒されたものは二つ。
『光源氏の物語』と『藤壺の中宮の御出産日記』
物語ならば、作り事なのは分かりきっているのに、さもその方々が居るかのように語られることはよくあった。光る君も、紫のゆかりの女人たちも。
悪し様に描いたのは、「末摘む花」常陸宮(ひたちのみや)の娘…だけではない。
人間を描いたのだ。
万人に受け入れられるはずがない。
その方面からの非難というのは、あり得るか?
ないとは言わないが、きっと、ない。
『光源氏の物語』に『清少納言』を悪し様に書いた部分などないからだ。
では、『御出産日記』なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!