たかこ③

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息一つで看破された。 これだから、読み込みの良い人間は…。 「読み込み?…あぁ、ごめんなさい。聞いたらいけないこと聞いてしまったみたいね?」 「…いえ…。口に出したつもりがなかったものですから」 「じゃあ、教えてよ」 清少納言の笑顔を見て、これは引かないぞ、と、分かる。 分野が違うけれども、筆を執ることでこの宮中を渡った身だ。好奇心を満たすことが、多いに作品に役立っていることだろう。 書きたいから、知りたくて 知ってしまったら、書かずにはいられない そして また新たに書くために、知りたくなる ーーそういう業(ごう)を、背負っている。 「今、貴女の中で、今から私が説明することを理解しましたよね。そういう力です」 「……別の言い方、して?」 「流れを察するとでもいいましょうか。口に出さない事も理解して、なぜ口に出さないのかも、推察可能というような」 「心を見透かすかのような?」 「心、だけではないのですが」 言葉を探して口を閉じたところで、 「あー」 何だか、勝手に理解したようだ。 「道長さまのような、ね」 ぎくり。 一瞬、強張った肩で、また気づかれる。 私が、雇い主を苦手だと思っていることを。
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