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顔を見てやろう…!
なんて思って…思いつきで来ちゃった。
昔のような行動力、まだあったのね、私。
でも、昔の仕事仲間から教えられたことに、すっごく興味をもっちゃったんだもの。
『でしゃばり目立ちたがり恥知らず』
えげつないくらいの悪口、公式文書に書く?
で、即行動の私。
懐かしの職場に参上。
いやぁ、この職場、変わってない。
建物も変わっちゃてるし、知らない顔ばっかりよ。でも、最高級、最先端を造り出す空気が変わらない。
美を尽くした物に囲まれていると、背筋が伸びる思いがする。
柔らかく美しい女主(おんなあるじ)の、微笑みが脳裏に浮かぶと、私の頬も緩んできた。
さて、呼び出すのは、どうしたらいいだろう。
『少納言、面白くなってきたわね。それから?それからどうするの?』
女主の声が聞こえてくるようだ。
空想の声に返答する。
「面識もないし、立場も問題あるでしょうから、やっぱり偽名でいくべきかと。相模だの三条だの、ありそうな名で行ってみます」
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