希望と理想

4/20
前へ
/286ページ
次へ
全身が熱くなった、自分の心臓の音が大きくそして遅く聞こえた。 そんな事をしているうちに電車の扉が開く、チャンスだ、証拠品を持って助けを呼ぼう。 「誰かぁ!!たっ………」 大きく乾いた破裂音と共に次の言葉が紡げなかった、酸欠の金魚の様に口をパクパクと動かすだけで声が出ない。 包丁を持って暴れていた男、なんと拳銃も持っていた。 意識が薄れてゆく、辺りが暗闇に染まり自分しかいないと世界へと変わって行く。 最後に目にしたのは一人で一生懸命ノートに何かを書いている懐かしい姿をした自分自身だった、それが一番深い思い出だったのだろうか今となってはわからない。 ~*~ どうやら死んでしまったらしい、こうして生きているので実感はあまり無い。 中学時代に書いていたキャラクターがそのまま自分の姿になっている、思い出すと鳥肌が立つのであまり思い出したくは無いが、その設定に何処まで忠実なのか知りたくなった。 中学時代に書いていた設定はこうだ。 ・吸血種であり不老 ・陽の光を浴びると弱くなるが溶けはしない ・闇の雷を操る 他にも色々と細かい設定があったはずだが忘れてしまった、もしくは思い出したく無い何かが書いてあったのだろう。
/286ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加