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一言だけ強いとでも書いていたのだろうか、記憶が正しければ気合いで威力が変わるとかだったと思うが気合いはそれほど入れてなかった。
「こっちだ!煙が上がってるぞ!」
複数人の足音、人がこちらに向けて真っ直ぐに近づいてくる。
こんな状況で真ん中に立ってたら完全に悪者だ、隠れるか、逃げるか、それとも死んだふりでもしておくか。
隠れる場所はどこにもない、謎の魔法のようなもので消し去ったのは俺じゃないか。
それなら逃げるか、何処に。
死んだふり、もうわけがわからない。
「なにも知らないんです!ごめんなさい!寝てただけなんです!殺さないでー!」
俺はどの選択肢でもない土下座を選んだ、それを囲む鎧に身を包んだ男達。
どの人もなかなか訓練されてそうで、鎧の隙間から筋肉が見える。
目を覚まして牢屋行きとか洒落にならない。
「腕を見せろ」
「見せるからっ!見せるから殴らないでください!」
なんだか場違いのような哀れみのこもった視線を向けられる、正直言ってマッチョの集団が怖いのだ。
近付いても良いことなんてあるはずがない、筋肉を鍛えろだの男らしくなろうだの言われたことしかないのだ。
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