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◆◆◆ その後の2人 ◆◆◆
「ねぇ、狼さんはどうして私に好きって言わないの? 」
テーブルに両肘を付いて聞くと、凉葉姫が持ってきたケーキを食べていた狼が、それをぶほっと吹き出しました。
「何を、いきなり……っ 」
「だって、あんなこともこんなこともしたのにぃ…… 」
凉葉姫が可愛い口唇を尖らせて言えば、「ひ、人聞きの悪いこと言うな 」と狼が顔を真っ赤にしました。
「言ってよ、言ってよー 」
「やだよ 」
「なんでよー 」
けれどそんな会話が続いた後、グラスの葡萄酒を煽った狼が「だって、お前俺んじゃねーもん…… 」と呟くように言ったのです。
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