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手慣れた手つきでポンポンポンとボタンを押し、コインが【0】になると、再び辺りを警戒しながら細長い棒を投入口へ。
これを六回繰り返したところで、
「よしっ! 」
左下のボーナス確定マークが点灯した。
今度は堪能するように一つずつゆっくりとボタンを押していく。
三つ目を押し終えると【777】が揃った。
男は袖を直す振りをして右手を軽く上げ、細長い棒を袖のさらに奥へと押し込んだ。
それからは順調だった。
閉店間際には一箱ニ万円の箱が五箱積み上げられていた。
「今日はこれで終わるか! 」
男が立ち上がろうとした瞬間だった。
「お客さん、少しお話が」
先程まで笑顔で店内を走り回っていた店員が、鬼のような形相で男の右手を掴んだ。
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