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毎朝雪と冬馬と家の前で待ち合わせして登校している。
「お…おはよぉ」
『…………!?』
おそるおそる2人の前に現れると、冬馬の目が丸くなってどんどん顔が赤くなっていく。
『ラブリちょぉ~可愛いー!』
「……へへへ。」
昨日コンビニへ出た格好を夜になって後悔し、どこで見かけるかも分からない彼に可愛く見られたいと思った私は
ひざ丈スカートを短くして、腰まであったぐりぐり癖の強い髪もそのままだったのを二つに束ねてみたのだ。
対して変わらないかもしれないけど、見た目とかに興味がなかった私にとっては大きな変化。
『恋は女をどんどん可愛くしてくからねぇ~』
「大丈夫かな?足太いから似合わないかなぁ…?」
チビでむちっとした体形を気にして二人に聞いてみる。
『ラブリは太ってないって!それ以上痩せたらガリ子になっちゃうよ?男はガリ子好きじゃないんだから!』
「そぉなの?」
男の冬馬に意見を聞こうと思って見ると、目を反らされた。
「やっぱダメかぁ…」
『ちげーよ!…ってか、ちがくないけど、知らねー!』
冬馬の反応がいいのか悪いのかいまいち分からなくてスカートの丈を気にしていじってると
―ガバッ
「わっ!」
『ラブリ…女は乳がでかいほうがモテるのよ!だから自信持ちなさい!』
背後から雪が胸を鷲掴みしてきた。
「雪ちゃん!恥ずかしいよぉ…それに、おっきくないもん…」
『なにをぉ~!?私なんかBで谷間なんかできないぞ!このぉ、D乳め!』
鷲掴みしてた胸を今度は揉みだす雪。
「ちょ、雪ちゃん!タイム、タイムぅ~…」
『やめれ。セクハラ親父かってーの』
雪の頭を冬馬がチョップすると、不貞腐れながらもやめてくれた。
『てかさ、コンビニで会ったやつかなんか知んねーけど、勘違いなんじゃねーの?』
「え?」
2人には昨日グループトークで事情を全て話したから知っている。
『昨日の帰りは恋を知らねーとか言ってたのに、数時間後に恋しましたって、ただの勘違いだっつってんの』
「ううん、雪ちゃんが言ってたみたいに雷が落ちるみたいな感じしたよ!あと、ドキドキしたし、考えるだけでココがきゅぅってなってあったかくなるの」
自分の胸に手をあてて言った。
彼を思い出すと顔が緩み、ほんのり頬があかくなる。
会ってなくても、思い出すだけで心があたたかい感じにこそばゆさを感じた。
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