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どうやら
毛糸の編み方から
手に視線が向いての話に
なったようだと
歌子は察したが
性格のきつそうな
目をした女性客は
見る間に目をつり上げ
口を開き、
そこから飛び出た言葉は
まるで岩のように
相手かまわずぶつかって
来るようだった。
「あんたに
言われたくないよっ!
なにがわかるっての?」
「わかるわよ、当たり前。
自分も自分の子も
こうやって」
平気な顔で
そう言いながら
彼女の手を取った。
「いい加減に
されるんだもの。
傍になんか、いたく
なくなるでしょ」
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