第7話 れぇばぁ

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解読不能に陥って 頭の上に、 クエスチョンマークが 浮かび上がるような 歌子を余所に 椅子に腰掛けた田ノ浦は 彼女の手に自前の ハンドクリームを 塗りながら 歌うように言った。 「あなたって極端なのよ。 よく言えば真面目過ぎね、 もうちょっと要領よく やればいいんじゃない?」 「でぇもおぉぉ」 言葉にならない 声を発しつつ、 脱力したように 椅子に腰掛けた女性は 両の手にまんべんなく クリームを塗られ マッサージまで施されて いつしか 田ノ浦の落ち着きに 改めて彼を見つめていた。
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