第7話 れぇばぁ

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「男って鈍いのよ。 女性目線にはならないし」 「そんな人に言っても 無理なんじゃ…」 「そうねぇ、でも 言わなければ絶対に わからないもの。 だからね、女は 賢くなければ駄目よ。 泣いたり笑ったり 上手に演技して 男を調教するのよ。 それが うまくいくコツよ」 顔も体も計ったように 四角張った大男が 女言葉を使う違和感も いつしかとれて 女性は頷いて見せた。 「あとはね、 ちょっとした エッセンスかしら 感謝というね」 「感謝…」 そう言われて彼女は 自分の手を じっと見つめ、 赤みを帯びてきたその 指先を触りながら言った。
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