第4話 藤

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その言葉に歌子は 吹き出して笑い、 ついでに 転売目的と思われる 若い男の情報を伝えると それに頼光は腕を組んで 考える顔つきをした。 そんな横顔を見ながら、 父の事など 気にもしないという 態度とは裏腹に、 思いを寄せていた女性を 父に取られた 苦さとむなしさを かえってはっきりと 表していると いくら鈍い歌子でも 感じないわけには いかなかった。
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