第5話 白詰草

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「あ、そう言うことか。 アレクさんは畳の部屋を 見たことがありますか?」 「畳?あの、緑色の敷物? 写真で見たことがあるよ。 茶室だっけ?」 彼がこの国の生活様式を 判っていると思った 歌子は その癖でここに 座ってしまうのだと 言うとアレクは 不思議そうな顔をした。 「それは判るけど、 ここには畳がないよ。 外だったら危ない人だね」 「危ない人?」 「えっと、 日本語でなんて言うんだ、 あ、そう!乞食とか 行く当てのないような そんな人のこと」 それを聞いて 歌子は笑い出した。
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