第5話 白詰草

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犬猫は具合が悪い時は じっとして自らの力で 治そうとする。 医者に連れて行くのは いつもとは 完全に異なる時のみ。 でも、その時に 観察していることを 察せられないように するのが肝心。 日頃と異なる待遇を してしまうことは どちらの 身にもならない。 そんな事を 母が言っていたなと 歌子は思い出していた。 もちろんそれは 歌子の弟に 対してなのだが、 お互いに 甘えられる範囲を 弁えていれば 人間関係もうまく行くが、 それも理解していない 状態の者に行えば、 必然的に我が儘に させてしまう危険性を 秘めているのだと そう言っていた。
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