虹が見えたなら

2/2
前へ
/2ページ
次へ
逃げ水の走るアスファルト道 滴る汗 歩きながら拭う 涙 軽い目眩を感じ 立ち止まって目を閉じる ・・・・・・ 蝉の声が聞こえていました その蝉の声は いつしか 絶え間無い 子供達の歓声に変わっていました プールではしゃぐ子供達の手から放たれる 水しぶきの中に虹が見えた時 私は声を出すこともはしゃぐことも忘れ じっとその虹に見いってしまったのです 呼び覚まされた遠い 遠い記憶 空を渡る虹の清々しさは こんな私にも 明日はあるのだと教えてくれるのです どうか虹を見せて下さい 最後の望みを失ってしまわぬ内に お願いです どうか私に 虹を見せて下さい
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加