第1章

8/17
前へ
/17ページ
次へ
「娘はーっ娘は大丈夫ですかーっ」 ガバッと少女の母親がドアから飛び出してくる、尊の足元にすがり付く母親に普段では考えられない様な笑顔を向ける。 「ハイ、今回の魔物は大丈夫ですが…もしもの事がある可能性が有りますので、退魔撃破の護符を玄関と裏口にお貼り下さいそしてこの御守り袋には伽羅の香りが入っておりますので、効力が続く限りは守ってくれます」 「ありがとうございます、ありがとうございました」 綾乃が献上台に乗せて、御守り袋と護符を渡すちゃっかりと御守り袋の中に入っている伽羅はかなりの高額なものだが、次からの収入源を入手する事が出来そうな家には伽羅を渡す。 ギュッと父親が頭を下げて、尊の手を握る。 尊は一瞬眉を寄せたが直ぐに外顔に戻る、尊の表情が変わったのは幼いときから一緒に居た双子にしか分からない些細な変化だ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加