第九章『巨星落つ』

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この頃、小西行長は順天城に、宗義智は南海城に、島津義弘は泗川城に、そして立花宗茂は固城に滞陣していた。そして其れ其れの軍が対峙している明・朝鮮の連合軍と和議を結んで撤退する手筈としていた。 ところが十一月十五日、先に決めていた南海の北に位置する昌善島で宗義智、立花宗茂、島津義弘の三将は落ち合ったが、小西行長のみ明軍・朝鮮水軍の海上封鎖にあい期日通りに合流出来なかった。 これは明軍と朝鮮軍の作戦変更に依るものである。彼等は朝鮮半島南岸を死守する日の本軍に対して東路軍、中路軍、西路軍、水軍の四軍を起こし、総勢十四万の兵で四路並進の総攻撃を開始したのだ。 その一環として西路軍と水軍が順天城へと向かったのである。そして十月三十日、明軍と朝鮮水軍は順天城が面する光陽湾の沖合い一里ほどにある柚島に至り、海上封鎖を行ったのであった・・・・・。
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