生徒会のお仕事

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§  仕事ができない僕だったが何とか一か月、辞めずにこれた。  最初にしていたケアレスミスや優先順位のつけ方は仕事に慣れてから格段に改善された。  仕事に慣れたお陰で余裕を持って作業を進めることができ、チェックする手間をかける事ができてミスは減ったし仕事の流れも掴めてから優先順位も付けて作業に取り掛かれるようになって締め切りに間に合わないという事も無くなった。  たまにミスはするけど般若の如き形相で清水さんに怒られる事も無くなって前みたいに圧力を感じながら仕事をする、ということは無くなった。  怒られなくなったのも良いことだけど、何より自分の成長を感じられたことが一番嬉しい。 前の自分が酷すぎただけなのだがそれでも前より仕事ができるようになってから自分も生徒会の役に立てているという実感が湧いてきた。  今の生徒会の仕事は、楽しい。  生徒会に入った当初ならこんな感情を抱くとは夢にも思わなかっただろうな。  一つのことに本気で取り組む事の良さにようやく気付いた。 「会長、文化祭の予算チェックお願いしてもいいですか? 今ちょっと手が離せなくて」 「ごめん華凛ちゃん。私も書類作成で手が空いてないのよ。誰か余裕ある人いる?」  清水さんと聖澤先輩のやり取りを聞いて僕は顔を上げる。 「あの、僕もうやる事終わるんでそれ代わりにやりますよ?」  僕が言うと清水さんは目を丸くした。 僕がこんな事を言うのが心底意外、とでも言いたげだった。 「あらぁ、じゃあお願いしていいかしら祐介君」  僕の積極性を嬉しそうに見つめながら聖澤先輩は言った。 「ふふ、最近祐介君も仕事ばっちりだものね。すごく頼もしく見えるわよっ」 「い、いえ。そんな事ないですよ聖澤先輩」  と、謙遜しつつ内心ではすごく嬉しい僕。 「なにニヤけてんのよ。褒められたからってすぐ調子に乗るんじゃないわよ」  ニヤけてたっ?  清水さんの指摘を受けてすぐに表情を引き締める。
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