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「別に、調子には乗ってませんよっ。普通です、ふつう」
「あっそ」
言い返すとそれ以上は会話を広げる事はしなかった清水さん。
彼女とはまだまだ仲は良くなれてないんだよなぁ。
ここまで来れたのは間違いなく風香や聖澤先輩のバックアップがあってで、風香とは元々友達で仲が良い。聖澤先輩とは生徒会の仕事について話してるうちに仲良くなったのだが。
清水さんとは全くと言って良いほど話さない。僕自身、何度か声をかけたりするがやはり前の怖い彼女を見てるからぐいぐいも行きづらいし。
毎日同じ空間にいるのだからいずれ時間が解決してくらるのかもしれないけど。
僕は文化祭の書類を受け取り、再び集中して仕事に取り掛かる。
§
「はぁ、やっとひと段落」
清水さんは手を止めて上体を倒し、机に突っ伏した。相当疲れているのか「う~」という唸り声を漏らしている。
九月に入ってから生徒会は仕事に追われていた。
行事の企画や学校周辺のゴミ拾い、挨拶運動や募金活動。
やる事が多く人手が足りないので役割を分担し、風香と聖澤先輩が外での活動を担当し、僕と清水さんは部屋で書類作成や文化祭の出し物の精査、仕分けなどを担当している。
こんな状態がここのところずっと続いている。あまりの忙しさに清水さんと二人でいる気まずさなんて全く気にならないほどだ。
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