00:30 張り込み

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「今日は1人みたいですね」  新人刑事の佐藤太一は望遠カメラで犯人の部屋を覗きながら呟く。 「そうだな、インターネットへの投稿もなし、張り込みして5日で盗撮した様子もなし。ホントに奴なのか?」 「それは間違いありません。先週サイトにアップした写真の流れは間違いなく奴のパソコンからですから」  カップラーメンをすすりながらぼやく先輩刑事に呆れながら佐藤は深呼吸をして身体を伸ばす。  先輩刑事の名前は渋谷恭介、32才、警視庁主催の空手大会3連覇、柔道大会5連覇の猛者らしいがいわゆる肉体派の刑事でパソコンの知識ゼロ、県警のサイバー犯罪対策課から転属して来た佐藤がいなければきっと今回の事件はお蔵入りしていただろう。
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