*弐

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「今から四年前、ある生徒がこの学園の高等部一年Sクラスに外部入学してきました。その生徒が入学して来た翌日には既に親衛隊は学園最大規模となり、加入していない生徒や他の生徒の親衛隊員もまた、彼の親衛隊同様に彼を崇拝していました。 彼は皆に愛された。それまでは周囲と関係を持つことなどなかった問題児早山李久や、当時、その奇抜な容姿を隠蔽するための変装により根暗な容姿をしてが故に嫌われていた外部転入生向井春陽、一般生徒とは全くと言っていいほど関わりを持たず孤高の存在として頂点に君臨していた生徒会や風紀をも彼は瞬く間に虜にしました。 しかし彼が二年となりあまり時間も経って居なかったある日、彼は周囲に何も告げることもなく突然姿を消しました。それは彼が姿を消す直前にとある事件があったから、そして彼の父親…ひいては実家そのものが、彼に帰ってくるよう前々から促していたから… なんの前触れもないままに彼を失った学園は、徐々に…いえ、あっという間に崩壊していきました。 もうここまで聞けば察しはつくでしょう?直接的ではないといえ、その一生徒がこの学園を現在ここまで崩壊させた元凶です」 **
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