*参

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え?いくらなんでもほくろまで調べる必要はないんじゃないかって?だって朱石涙について事細か~く調べたら勝手に出てきたんだもん。 …うぇ、やっぱ僕がもんとか言うと普通に気持ち悪いね。こういうのは親衛隊にいるようなチワワちゃんが言ってこそ可愛いんであって僕なんかが言っても微塵も可愛くない。 「私は…貴方についてこの学園に編入してきた時から調べてきました」 「へえ?それで何か収穫はあった?」 「ええ…と言いたい所ですが、ほんの少しですら出てきませんでした。私が唯一持っている情報さえここの生徒全員が当たり前のように知っているようなものばかりで…そこまでして、貴方は一体何を隠しているんです?」 なに、ってねえ? まあ、簡単に言っちゃえば自分がとんでもなく大きい、それこそ世界一の規模を誇るマフィアのボスだってこと。 …それだけじゃあないけどね? 思わずといった風にうっすらと笑みを浮かべると、すぐに探るような視線を向けられる。 …生憎、標的である人間に自分の正体を明かすほど僕も馬鹿じゃないんでね。それに、そう簡単にこの“ゲーム”が終わっちゃつまらないでしょう? 先程までの笑みの代わりに高校生の時以来のにーっこりとした笑みを向け、目の前にあった朱石くんの手を取った。 **
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